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「NPO法人気候ネットワーク」豊田陽介氏による『再生可能エネルギーで変わる私たちの暮らし』(前編)
こんにちは、TERA Energyの東です。環境やコミュニティについて考える研修会「いまお寺にできること ~コミュニティと環境のこれから~」を開催いたしました。 内容盛りだくさんだった研修会。その様子をこれから全4回に分けてお届けします。
環境問題をメインテーマに掲げ、10月2日に広島県大竹市の顕徳寺様、10月4日に山口市の養元寺様で行いました。
ゲストは特定非営利活動法人気候ネットワーク上席研究員 豊田陽介さん。 再生可能エネルギー普及政策を専門とし、支援や活動づくりに取り組んでおられます。
「あなたの子や孫の暮らしは、自分たちの暮らしよりも豊かになっていると思いますか」
豊田さんの問いかけから始まりました。
科学的にも実証されている地球温暖化。気候変動に対する意識や対策はずいぶんと進んできています。今や世界の電力の4分の1は、太陽光・水力・風力等による再生可能エネルギーです(以下、再エネ)。
RE100(企業が自らの事業の使用電力を100%再エネで賄うことを目指す活動)に参加しているApple社はすでにそれを達成してるどころか、部品を作る企業にも、再エネ100%の電力で製造することを条件にしてるんだそうです。
環境問題に関心のある世界は再生可能エネルギーに対してすごくポジティブで、温暖化対策が「生活の質を高める」と答えた回答は世界全体で66%なんです。彼らは、
再エネをとり入れることは、経済を回し、新しい雇用を増やし、地域を元気にする
と考えています。それに対し、日本はどうでしょう。「生活の質を高める」と答えた人はわずか17%で、60%の人はむしろ「生活の質を脅かすもの」と考えています。
省エネってめんどくさいし、コストもかかる。自分が我慢するような気がする。そう思っている人が多いそうです。
これを聞いてなんだか日本って遅れすぎてると感じたし、なんだか恥ずかしい再エネの大切さをもっともっと広めないと、という焦燥感が湧き出てきました。
もちろん土地に限りある日本でも再エネを生み出している自治体もあります。森林未来都市を目指す北海道下川町、福島りょうぜん市民太陽光発電所など。こだわりの再エネ電気をお届けし、地域を活性化させる取り組みをしている電力会社もあります。こういう活動、もっと増えるといいですね。
そういう話を聞いていると、新たに問いが生まれました。一市民である私たちは、いまなにができるのでしょうか。
ここでのひとつの回答が、「電気を選ぶ」ということ。電気も選べる時代になったからこそ、再エネ電気を選ぶことは、豊かな未来を次の世代に残すために、個人レベルでできることなのだと痛感させられます。
次回は、質疑応答の様子を報告します。